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事務所のご案内

 当事務所は、男女それぞれ3名ずつ、世代もタイプも異なるバラエティに富んだ6名の弁護士が在籍する共同事務所です。そんな6名のプロフィールをはじめ、仕事に対する想い、思い出に残る事件等々をご紹介します。

林田 賢一(宮崎県日向市出身)

25周年を迎えて

林田 賢一 私の手元に、1984年9月14日発行の福岡東部法律事務所ニュース創刊号があります。
 いま読み返すと、少々気恥ずかしいような、気負いと意気込みにあふれた文章が並んでいます。
 表題は、「地域の民主的発展と権利擁護をめざして」(事務所開設にあたって)というもので、その書き出しは、次のとおりです。
 「これまで法律事務所といえば、裁判所の近くに事務所を構え、敷居の高 いところ、というイメージがあったと思います。

 私達の事務所は、まさにそのイメージを逆転させた ところから出発しました。裁判所よりは住民の近くに!そして気がるに出入りできるところに!」
 そして、同じ紙面の中断に、お腹も出ておらず体は締まって髪も黒々とした林田と、引き締まった顔つきで長髪の、一見ジャニーズのような堀弁護士、そして、髪も長く若々しさにあふれてふくよかな田中さんの三人の写真が、掲載されています。

 “あれから25年”(きみまろ的な表現ですが)、魅力あふれる弁護士・事務局が次々と入所し、現在弁護士6名・事務局5名の法律事務所となっています。
 私達をこの間支えていだいた地域の皆さまに、心から感謝を申し上げます。
 25年の間に、私たちが取り組んだ事件は、博多湾東部埋立やまちづくり条例運動、香椎操車場跡地の開発問題、地域の革新懇や平和運動、住民運動、カネミ・空港騒音等の公害問題、豊田商事事件・先物取引・コンビニフランチャイズ・クレサラ等の消費者問題、労働問題、ハンセン病・薬害肝炎問題、有明・諫早干拓問題等々、全国的にも大きな意義を持つものも多数ありました。
 25周年を迎え、私達の法律事務所の基本的性格である

という原点に立ち返り、さらに一層地域の皆さまに信頼される弁護士活動を進めていきたいと、所員一同決意しています。
 今後とも宜しくお願いします。

堀 良一(大分県別府市出身)

有明、思い出、環境問題

堀 良一 あと,何人自殺したら,工事ば止めてくれるとですか!

 意見陳述の最後に,もうすぐ還暦を迎えようかという初老の漁民は,日に焼けた赤銅色の顔をこわばらせ,裁判官席をみすえながら,張り詰めた緊張感を振り払うように叫んだ。諫早湾干拓事業の工事差し止め仮処分決定が出る直前の佐賀地裁の法廷での一コマである。

 293枚の鉄板が不気味な機械音をきしらせながら海中に落下して諫早湾干拓事業の潮受堤防を閉め切ったのは1997年4月のことだ。そして,魚や貝がいなくなった。ひどい赤潮が発生してノリがだめに なった。長崎,佐賀,福岡,熊本の有明海沿岸4県にわたる大規模な漁業被害をもたらせた深刻な環境破壊は「有明海異変」と呼ばれ,多くの漁民が不漁に苦しんで自殺し,漁業を基盤にする地域社会は壊滅的な打撃を受けた。

 そんななか,裁判をするので,弁護団の事務局長を引き受けないかとの声がかかったのは2002年秋のことだ。博多湾埋立反対の住民運動や裁判にたずさわり,全国の湿地や海の自然環境を守る活動に参加していたから,おまえが適任だというのだ。荷が重いと尻込みしたが,気がついたら,よみがえれ!有明訴訟の代理人席に座っていた。

 そして,工事中止の歴史的仮処分決定,高裁でのまさかの逆転敗訴,厭戦気分漂うなかで漁民原告の大量追加提訴による反転攻勢,研究者と漁民の集中尋問,昨年6月の佐賀地裁開門判決,波状的な国会行動,農水省前での早朝宣伝,息詰まるような法廷外での攻防。時代を象徴する社会的紛争を解決するには,ここまでというエネルギーの限界値はない。

 弁護団には,若くて優秀な弁護士がたくさん損得勘定なしのボランティアで参加していて,勉強にもなる。何よりも小気味いい。ここには掛け値なしに最高の良心と英知が結集している。

 子供の頃,別府の田舎で,浜辺を走り回ったり,雑木林に紛れ込んだりしながら,小エビやセミやトンボを追いかけていた思い出を引きずっていたら,いつのまにか,環境問題の最前線に立っていた。

井上 滋子

思い出の判決

井上 滋子 私が当事務所に入って、もう20年近くが経ちました。 思い出の一つに、生活保護制度をめぐって争った学資保険裁判があります。

 生活保護を受けている病弱な両親が、家計を切りつめ、子どもの高校進学に備えて毎月3千円の学資保険を掛けていました。保険満期金約40万円がおりて、まさに高校進学に使おうとした時、それは蓄えだから生活費にあてなさい、その分の生活保護費を減額しますという処分を受けました。生活保護費を削られては、この進学費用を切り崩して使うしかない。無念の思いの両親が異議を申立てました。しかし思い半ばで両親とも他界し、子どもたちが引き継いで裁判を起こしました。

 裁判では、生活保護法の解釈として間違った処分だ、憲法25条の生存権や26条の教育を受ける権利にも反していると主張しました。ところが、第一審判決は敗訴。なぜ当然のことがとおらないのだ!

 弁護団は裁判所へ不当性を訴えると同時に、もう一度、事実をよく見つめ直しました。今は亡き両親の思いを裁判所に伝え切れていただろうかと。

 母親が掛けていたのは、2人の子どもに1口だけの大学進学コースの学資保険でした。下の子の妊娠が分かった頃に掛け始められた保険でした。上の子に掛けた保険は、下の子がちょうど高校進学を迎えたときに満期になる。苦しい生活の中で身ごもった母親が、どんな思いをこの一つの学資保険に託していたのか。資料を改めて見る中で、日々の生活を送り、子どもを育ててきた母の思いを感じていました。

 第二審の高等裁判所での判決の日。「逆転勝訴」の垂れ幕を持って、原告と一緒に走り出ました。その時の晴れがましい原告の顔が忘れられません。この判決後、制度改正がされて高校就学費用自体が生活保護費から支給されるようになり、大きな実を結びました。

 事件の背景には、人の思いがあり、たくさんの人生がある。当然の事ですが、法律だけを読んでいるとつい見過ごしがちになります。生活者ひとりひとりの思いを受けとめながら、法律という手段を使って役に立てる弁護士になりたい、そういう思いを強くした思い出の事件です。

馬渡 桜子(山口県山口市出身)

事件に教えてもらったこと

馬渡 桜子 弁護士登録してまもないとき、コンビニ事件との出会いがありました。今年の6月ころ、セブンイレブン本部に対し加盟店のお弁当の値下げ販売を制限したとして、公正取引委員会が排除措置命令を出したという報道がありましたが、この報道を聞きながら、約8年前の事件がふとよみがえってきました。

 この事件は、コンビニエンスストアの本部が加盟店に上がりもしない売上予測を示し、十分利益が上がるかのように虚偽の説明をして、フランチャイズ契約を締結させたとして、加盟店の店主が本部に対しそのために生じた損害を賠償請求したものです。同様の加盟店 店主が集まり原告5人で集団提訴しました。1審では、裁判所はコンビニの本部に契約締結段階においても適正かつ正確な情報を提供すべき保護義務を認めつつも、加盟店も独立した事業者であるから自己責任で経営を行うものと強調し、加盟店側の請求を全く認めませんでした。また当時、このような事件で加盟店側に損害賠償を認めた判決も見あたりませんでした。

 弁護士になりたてだった私は、同様の損害賠償を認めた1審判決すらないから無理では?と弱気になり、弁護団の先輩に尋ねたところ、「判例というのはなければ作るものだよ。」とさらりと言われ、「へえ~!」と感心しておりました。

 1審で完全敗訴して原告ご本人たちに不安の空気が流れる中、2審では、契約に至るまでに本部側が示した立地評価自体に合理性がないものだったことを専門家を入れて立証しました。長期の審理期間を経て、その間、私は長女を出産し、そして次女出産の少し前、2審の裁判所は本部の示した立地評価自体の不合理性、不十分性を指摘し開店準備資金や累積赤字等の損害を認め、本部に対し損害賠償を命じました(確定)。

 こちらの主張をかなり認めた大満足の判決でした。強気で闘うことの大切さを教えてくれた事件でした。

吉村 真吾(熊本県熊本市出身)

地域の弁護士として

吉村 真吾

 入所後は、数多くの相談、依頼を受けてきました。地域の事務所ですから、相談に来られる方のほとんどが福岡東部地区のみなさんです。

 私は、このような地域の弁護士としての活動が中心ですが、一方では、全国的な社会問題にも取り組んでいます。

 今、私が取り組んでいる全国な社会問題に関する裁判として、B型肝炎訴訟があります。B型肝炎訴訟とは、乳幼児期の集団予防接種で注射器が使い回されたことによってB型肝炎ウイルスに感染させられた被害者が、国に対し、損害賠償を求めるとともに、検査・治療体制の確立などを求める裁判・運動です。

 集団予防接種で注射器が使い回されていたことは、一定以上の年齢の方なら誰しも覚えがあることだと思います。その予防接種によってウイルスに感染させられていた場合があることが分かっています。予防接種とB型肝炎の問題は全国的な問題ですので、全国各地の弁護士と共に全国各地の裁判所で訴訟を提起するとともに、立法的な解決をも目指して国会議員に対する要請などを行っています。現在も、早期の解決を目指して奮闘中です。

 これからも地域の弁護士としてはもちろん、全国的な社会問題にも取り組み、皆さまのお役に立てるように努めていきたいと思っています。

丸山 明子(福岡県糟屋郡出身)

お早目の相談を。

丸山 明子 弁護士は敷居が高い。

 私も、弁護士になる前はそう思っていました。弁護士の数が増えた今でも、まだこの敷居が低くなったとは思っていません。これは、大いに私たち側の問題ですが、それでも、弁護士を利用しないデメリットは皆さんが負ってしまいます。

 たとえば借金、たとえば遺産相続、たとえば交通事故、たとえば雇用関係など、なにかトラブルに巻き込まれたり、思い悩んだりしていることがあれば、まずは私たちに相談してください。相談は早い方がいいです。その判を押す前に相談に来てくれてさえいればなんとかできたのに、ということがよくあるのです。

 相談だけで済めば、料金は30分5,250円です。たいていの相談は30分、長くても60分で済むことがほとんどです。

 自分に代わって、その事件の処理を依頼するときに、費用が発生します。このホームページに料金の仕組みを説明したページがありますが、数万単位のお金になるので、決して安くはありません。弁護士がお預かりするのは、皆さんの大切な権利なので、そのような値段になってしまうのですが、躊躇されることも多いと思います。実際に依頼するのかどうかは、相談の際に料金の説明を受けてから、一度家に帰り、じっくり考えてから判断すればよいのです。

 依頼したいけど、経済的余裕がない、という方は、その旨申し出ていただければ、法テラスを利用することができます。この制度は、国がまず皆さんに代わって私たちに費用を立て替えて支払い、次に皆さんが月々支払える額を国に返していくという制度です。

 なにかあれば、まずはご相談ください。

 お待ちしています。